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子どもの自尊心・自己肯定感とは?違いは?高める方法と声かけ

子どもの自尊心・自己肯定感とは?違いは?高める方法と声かけ

最終更新:2024.06.28
子どもが「どうせできない」と物事に消極的だったり、何に対してもネガティブ思考だったりすると、どう声をかけてあげるのがいいのか悩んでしまいますよね。
もしかすると、子どもの消極的・ネガティブな思考は自尊心・自己肯定感の低さによるものかもしれません。

自尊心とは、自分自身に対する価値や評価のこと、そして自己肯定感とは自分を肯定できる気持ちのことです。これらが高いと「自分はありのまま生きているだけで価値がある」と感じられるため、自信をもって積極的に物事に挑戦できるようになります。

自尊心・自己肯定感を高めるには「自分には何かを成し遂げる力がある」、「自分は生きているだけで価値がある」と感じられることが重要です。ここでは、その方法として、努力の過程をほめること、日常的に感謝や愛情を伝える声掛けをすること等について解説します。

実際に、自尊心・自己肯定感を高めようとしたときに直面する難しさとその対策についても触れながら解説していきますので、その子にあったほめ方や声掛けを考えていきましょう。
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こんにちは、あらいです。一児の母です。
臨床心理士・公認心理師として医療機関でカウンセリングをしています。
子育ての悩みは、子どもの成長に従って次から次へやってきて、なかなか尽きることがありませんよね。
皆さんの日々の子育てに役立つ情報発信ができたらと思います。
よろしくお願いいたします。
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自尊心・自己肯定感とは?その違いは?

自尊心とは、自分自身に対する価値や評価のことです。つまり、自尊心が高いということは、自分に価値があると感じているということです。

自尊心には、「他の人よりも自分が優れているから価値が高い」というように他者との比較で相対的に決まってくる「社会的自尊感情」と、「自分はありのままでいい」「生きているだけでいい」というように他者との比較ではなく絶対的に決まってくる「基本的自尊感情」があるともいわれています。

また自尊心と似ていることばとして自己肯定感があります。自己肯定感とはありのままの自分を肯定する感情で、一般的には自尊心とほぼ同じ意味合いで用いられていますが、基本的自尊感情に近いニュアンスがあるといえるでしょう。

では、自尊心・自己肯定感が高い子ども、逆に低い子どもにはどのような特徴があるのでしょうか?

自尊心・自己肯定感が高い子どもの特徴

自尊心・自己肯定感が高い子どもは、自分に自信をもって自発的に物事に取り組むことができるので、次のような特徴を持ちます。

失敗してもまた粘り強くチャレンジできる

リーダーシップを発揮できる

困ったときに助けを求めることができる

さらに、自尊心が高いとストレスに強くなり、結果として精神的に安定して幸福度が高くなるともいわれています。

自尊心・自己肯定感が低い子どもの特徴

一方で自尊心・自己肯定感が低い子どもは、自分に対してネガティブなイメージが強くなって自信を持てなくなってしまうため、次のような特徴を持ちます。

失敗を恐れて挑戦を避ける

他の人の評価を過度に気にしてしまう

困ったときに助けを求めるための行動を起こせず一人で抱え込んでしまう


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自尊心・自己肯定感を高める声かけは?

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今日は何して遊びたい?
それでは自尊心・自己肯定感を高めるにはどのような声掛けをするとよいのでしょうか。

自尊心・自己肯定感を高めるには「自分には何かを成し遂げる力がある」、「自分はありのまま生きているだけで価値がある」と感じられることが重要です。

このような気持ちを育む声掛けを心がけましょう。

ここでは、「子どもが何かに成功したとき」、「子どもが何かに失敗したとき」、「何気ない生活の中で」と分けて、それぞれで大切な声掛けについて解説します。

子どもが何かに成功したときの声掛け

「毎日勉強頑張ったね!すごいよ!」「諦めず練習していたね!誇らしいな」

子どもが勉強やスポーツで成功したときはしっかりほめて、本人の自信につながるようにしましょう。

その際、結果だけをほめるのではなくそこに至る具体的な過程・行動に重きを置いた声掛けをすることが大切です。

子どもが何かに失敗したときの声掛け

「ナイスファイトだったね」「ここまでできたのはすごいことだよ!」「こんなに頑張ったから、次はきっとうまくいくよ」

失敗したときも、その失敗を糧にできるような声掛けが必要です。

ときには「だからいったじゃないか」と言いたくなることもあるかもしれませんが、子どもが自分で考えて挑戦する力を身につけられるよう見守りましょう。

それが子どもの自尊心・自己肯定感を高めることにつながります。

望んだ結果が得られなかったとしても、頑張った過程は無駄ではありません。まずはその過程に目を向けて声掛けをしましょう。

また、「(試合には負けてしまったけれど)ドリブルがとても上手になったよね」というように、できているところをほめるのもいいですね。

何気ない生活の中での声掛け

自尊心・自己肯定感が育まれるのは成功したときや失敗したときだけではありません。

日常生活の中で、「自分はありのまま生きているだけで価値がある」と感じられる体験の積み重ねが自尊心・自己肯定感を育みます。

そのために、

「自分の意思が尊重されること」

「感謝されること」

「愛情を伝えられること」

が大切です。

「今日は何して遊びたい?」

遊びや、おやつのメニューなど子どもが自分で選ぶ自由があると感じられるように声をかけてみましょう。

「ありがとう」

「助かったよ」

ちょっとしたお手伝いをしてくれたときや、優しさを感じたときは感謝を伝えましょう。

「今日も大好きだよ」

何も頑張らなくても、成し遂げていなくても、存在そのものが肯定されることで、子どもは親の愛情が自分の行動に依存しないことを理解し、ありのままで価値があると感じることができます。

自尊心・自己肯定感を高めることが難しいのはなぜ?

自尊心・自己肯定感を高める声掛けを解説しましたが、実際にやってみると難しさを感じられる方も多いです。その理由としては以下のようなことが挙げられます。

家庭外の環境による影響があるから

学校でのいじめや対人関係のトラブルがあると、子どもの自尊心・自己肯定感が低下しやすくなってしまいます。

自尊心・自己肯定感を高めるには時間がかかるから

自尊心・自己肯定感を高めるには、自分にはありのまま生きているだけで価値があると感じられる体験を積み重ねていく必要があり、時間が必要です。

自己評価のバランスをとることが難しいから

自尊心・自己肯定感を高めようと過度に賞賛をしてしまうと、自分を過大評価して、「ありのままの自分に価値がある」ではなく「自分は何でもできてすごいから価値がある」と感じるようになってしまいます。

すると友達にも尊大な態度をとってトラブルになったり、失敗を受け入れられなくなったりする恐れがあります。

どうしたらいい?対策は?

家庭外の環境による影響への対策

「学校で何か困っていることがあったら何でも話してね」「いつでもあなたの味方だよ」と伝え、子どもが家庭外で困りごとに直面したときに、信頼できる相談先となれるようサポートをしましょう。また、学校の先生と連携をとることも重要です。

自尊心・自己肯定感を高めるには時間がかかることへの対策

長い目でみて、声掛けを続けましょう。すぐに変化が見られなくとも、子どもの心にはポジティブな体験が蓄積されています。

自己評価のバランスをとることが難しいことへの対策

バランスよくほめるコツは、「具体的に、そして現実的に、その子が自分の良いところを見つけられるように手助けする」という意識でほめることです。

子どもの反応も見ながら、自信過剰であれば控えめに、過小な自己評価をしているならしっかりとほめていくというように調整もしていきましょう。

相談する場所

自尊心・自己肯定感は子どもの挑戦へのモチベーションや幸福度に影響します。

しかし、強い失敗体験や学校でのトラブルといった傷つきで自信を失っている場合、家庭だけで対応することは難しいかもしれません。

そのようなときは、専門機関に相談することも役に立つでしょう。

子育ての困りごとの背景に自尊心・自己肯定感の低さがあると感じたとき、利用できる相談先には次のようなものがあります。

学校・スクールカウンセラー

学校生活で傷つき体験が生じている場合は、スクールカウンセラーや学校の先生に相談してみましょう。

医療機関・カウンセリング

自尊心・自己肯定感が低いことで、身体的、精神的な不調が出ているような場合は医療機関に相談することも重要です。

自治体の相談窓口

保健師や助産師と話をすることができますので、自治体のHPを確認してみましょう。


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こんなお子さんにおすすめ!

3~5歳 男の子 女の子

参考・外部リンク

参考文献
Rosenberg, M. (2015). Society and the adolescent self-image. Princeton university press.
近藤卓, 望月美紗子, 山田由美子, 田淵愛子, & 田中佑果. (2016). 中学校におけるいのちの授業の実践的研究: 基本的自尊感情の育成に着目した効果測定から. 山陽論叢, 22, 63-70.
久芳美惠子, クバミエコ, 齊藤真沙美, サイトウマサミ, 小林正幸, & コバヤシマサユキ. (2007). 小, 中, 高校生の自己肯定感に関する研究. 紀要, 42, 51-60.
脇本竜太郎. (2008). 自尊心の高低と不安定性が被援助志向性・援助要請に及ぼす影響. 実験社会心理学研究, 47(2), 160-168.
Baumeister, R. F., Campbell, J. D., Krueger, J. I., & Vohs, K. D. (2003). Does high self-esteem cause better performance, interpersonal success, happiness, or healthier lifestyles?. Psychological science in the public interest, 4(1), 1-44.


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