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幼稚園や学校の教室に入れないのはなぜ?子どもの心理と気持ちの切り替えサポート法
記事の目次
記事の執筆者
子どもが教室に入ろうとしない
やっとの思いで幼稚園に連れてきたのになかなか離れてくれない、全然教室に入ろうとしない、動こうとしない、どうしよう...と困っている保護者の方をよくお見かけします。
「子どもが切り替わるまでいてあげよう」
「子どもが自分から離れられるまで付き合おう」
と思ってずっといてあげるのは見守る力が強くて素敵だなと思います。 しかし子どもは親の気持ちを敏感に察知するので、
「泣いてたらずっといてくれる」
「もしかしたら今日は帰れるかも」
と思って不安定になってしまうこともあります。
親がパッと先生に任せて元気に
「行ってらっしゃい!」
と言うだけでも子どもは気持ちが切り替わるきっかけになったりします。 また、意外とお部屋に入ったらすぐ泣き止んだりしますので、ぜひプロの力を借りてくださいね!
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こんな声かけがおススメ
「泣いているのに預けていいのかな」
「泣いているから預けるのはかわいそう」
「こんなに嫌がっているのはなんでだろう」
と心配になりますよね。
もしかしたらお友達とうまく遊べないとか、おもちゃの貸し借りがうまくできないとか原因があるかもしれないので、先生に聞いてみてくださいね。
でも多くは
「ママやパパと一緒にいたい」
という気持ちから来ることが多いです。
また、親の「心配」という気持ちを察知して不安定になることも多いです。
そのため、親が元気に明るく、
「行ってらっしゃい!楽しんで!」
と笑顔で言うだけで切り替えのきっかけになることがあります。
しっかり伝えてあとは泣いていても先生にお願いしてパッと預けて帰ってしまうと、意外とお部屋に入ったらすぐに泣き止んで遊び始める、ということも少なくないです!
保育士や幼稚園教諭はプロなので、ぜひ頼ってくださいね!
不登校や不登園の現状
学校に行けない子どもの数は増えている
文部科学省の調査(2023)によると、全国の不登校児童生徒数は約30万人であり、過去最多となりました。
およそ1クラスに1人の割合で不登校の子がいることになります。
保育園・幼稚園は義務教育ではないため、公的なデータはありませんが、小学校で不登校となる子どもの中には、就学前にも似たような傾向があったという方もいます。
不登校の定義は年間30日以上欠席した者
文部科学省による不登校の定義は次の通りです。
「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間 30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」
以前は、「登校拒否」という呼び名が使用されていましたが、現在は使用されていません。
不登校や不登園の要因
不登園・不登校の状態はその子どもによって異なる
不登園・不登校といっても、その子によって状態は様々です。
- 登園しぶりや登校しぶりはあるけど、励ませばなんとか行ける
- 行く前は嫌がるけど、行けば楽しそうにしている
- 学校に行けるけど、教室には入れない
- 外出はできるけど、保育園、幼稚園、小学校に近づけない
- 家からほとんど出られない
不登園・不登校の要因は学校、家庭、本人それぞれにある
不登校の要因は、学校内の理由、家庭内の理由、本人の理由に分けられます。
学校内の理由
- いじめ
- 友人関係の問題
- 先生との問題
- 学業の不振
- 勉強についていけない
- 入学後の新1年生 など
家庭内の理由
- 生活環境の急激な変化(離婚や転居)
- 死別
- 親子のかかわり方の問題
- 虐待、ネグレクト、過度な干渉
- 家庭内の不和の問題
- 家庭内暴力 など
本人の理由
- 生活リズムの乱れ
- あそびへの没頭
- スマホやSNS依存
- 非行
- 無気力
- 分離不安や過緊張
- 発達障害、自閉症スペクトラム等によりコミュニケーション能力や集団適応に困難さがある
「怖い」「離れたくない」「〇ちゃんがやだ」など、子どもから出てくる言葉を良く聴くことが大切です。
しぶりの要因がはっきりしない子どももいる
登園・登校しぶりのある子どもの中には、はっきりとした理由がない子どももいます。
近年よく見かけるようになった「HSC」は、Highly Sensitive Childのことで、「ひといちばい繊細な子ども」などと訳されます。
HSCは病名や診断名ではなく、その子のもつ特性や性格を表す呼び名です。 過敏さや敏感さを特徴とする性格のため、集団生活に負担が強いのかもしれません。
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不登園や不登校で悩んだら、まずは先生に相談する
不登校でありながら、学校や相談機関からの支援を受けていない子どもは約4割いることが分かっています。 これは、不登園・不登校の子をもつ家庭に、必要な援助や情報が行き届いていないことを示します。
もし、子どもの様子がいつもと違ったり、表情が暗いことに気が付いたりしたときは、幼稚園や小学校の先生に相談しましょう。 「こんなことで相談していいのかな」と思う必要はありません。 一人で抱え込まずに、困っていることや心配なことを共有してくれると、先生たちも助かります。
先生に相談しにくい場合は、外部機関に相談する
幼稚園、保育園、小学校の先生に相談しにくい場合や、学校に話しにくいこともあると思います。
その場合は、自治体の教育相談を活用する方法があります。 市町村あるいは都道府県に教育相談窓口が設置されています。 ホームページで電話番号を探すか、代表番号にかけて「登園しぶりのことで教育相談がしたいのですが」 と伝えると、適切な部署につないでくれます。
他の居場所を活用すると心理的安定につながる
親も子も苦しい思いをしてまで無理に登園・登校させ続けることは、精神衛生上よくありません。他の居場所を活用するのもひとつの方法です。
- 習いごとや学習塾
- フリースクール
- 適応指導教室や教育支援センター
- 地域のカフェ
- 子ども食堂
- ボランティア
- 当事者会、自助グループ
- 病院での集団療法や活動
- オンラインコニュニティ
- NPO団体等が開設する居場所やフリースペース など
子どもの心理的ケアも含め、登園しぶりや登校しぶりは、長期的な対応が必要になります。 こういった家庭外の場所を活用することは、「自分にも居場所があるんだ」といった、子どもの心理的な安定感につながります。
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