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子どもの極度の怖がりにイライラ:原因の理解と対処法
記事の目次
サマリー
子どもが怖がりすぎたり慎重すぎたりする場合、うまく出来ないことに対して親がイライラすると、そのイライラが伝わって、子どもはさらに萎縮してしまいます。この記事では、子どもの頑張りを認めながら、やる気と自信を引き出すような声かけ例を紹介しています。
また、子どもにとって「怖がる」ことがどのような意味を持っていて、どのような要因・原因があるのか。恐怖心が強すぎると感じた場合の対処法などについても提案しています。
記事の執筆者
怖がりな子どもには頑張りを認めるのが大切
初めてやること、不慣れなことは、誰だって怖いし不安です。
しかし、怖がりすぎたり慎重すぎる子どもは、どうしても時間や手がかかるため、ついイライラしてしまうママパパもいると思います。
子どもが勇気づけられるような言葉をかけてあげられると良いですよね。
子どもが挑戦できずに尻込みしているとき、つい期待をしてしまい、怯えた我が子をよそに、
「出来るからやってごらん!」「ほら大丈夫だから!」などと、
叱咤激励をしていませんか?
うまく出来ないことに対して親がイライラすると、
そのイライラが伝わって、子どもはさらに萎縮してしまいます。
「〇〇くんは出来たのに」、「いくじなし」、「次の人が待ってるからもう終わり」なんてさらに追い打ちをかけられたら、子どもは新しいことにチャレンジする意欲を失ってしまいます。
こんな時は、子どもの頑張りを認めながら、やる気と自信を引き出すことを意識していくことが大切です。
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怖がりな子どもへのおススメの声かけ
「やろうとしてえらいね」
「こわいのに頑張ってるね」
②最後まで出来ること=成功ではありません。それなら出来るかも、と子どもが思えるぐらいに、ゴールを小刻みにしてあげましょう
「1歩前にすすめたね!」
「やったー!その調子!」
③無理強いはせず、次回につながるように褒め言葉で終わりにしてあげましょう。
「よく頑張った!かっこよかったよ。」
「頑張ってる姿、ママパパちゃんと見てたよ!」
最後はハイタッチで締めくくれるとなお良いですね。
笑顔を意識し、子どもが安心できるようにしてあげましょう。
子どもが怖がりの要因・原因について
子どもが怖がるのは自然なこと
子どもが怖がりなのはおかしいことではなく、自然なことです。 恐怖は人間の基本的な感情のひとつです。
特に子どもは、まだ世界に対する知識や経験が少ないですから、未体験のものや、想像したり予測したりできないものに対して、不安や恐怖を感じやすくなっています。 日常の中で様々なものごとを体験しながら、そのたびに「怖い」「不安」といった気持ちになることは自然な成長過程といえます。
子どもの怖がりは、成長とともに少しずつ克服されていきます。
怖がる気持ちは自分を守るもの
子どもは、「怖い」という感情が生まれる事によって、安全を確保したり、自分を守ろうとしたりする本能が働きます。 新しい環境や人との出会い、物事の変化に対して適度な警戒心を持つことで、危険から身を守ることができます。
親として、子どもが怖がることは避けてあげたいと思う気持ちもあるでしょう。 しかし、適度に怖い体験をしたからこそ、自分自身や周囲の状況を理解するチャンスとなり、問題を解決する力や問題に対処する力を育むことにつながります。
怖がりの原因は過去の失敗体験や認知・発達特性など様々
子どもの恐怖心を強める理由や要因をいくつか紹介します。
・感覚過敏 :音や光、匂いだけでなく、環境や場の雰囲気などに敏感に反応し、恐怖を感じることがあります。
・見通しをたてられない :初めての場所や不慣れなもの、想像できないものや予測できないことが苦手で、不安が募って恐怖を 感じやすくなります。
・コミュニケーションの困難さ :自分の気持ちを伝えることが苦手で、不安を解消できないことがあります。
・過去の失敗経験やトラウマ:以前につらい体験や怖い思いをした経験がある子どもは、似たような状況を怖がるようになります。
・親子関係や夫婦関係の不和:子どもにとって家庭が安心して過ごせる場所ではない場合や、安定して愛情を受け取れる環境ではない場合に、他者と安定した関係が結べず、外の世界に恐怖を感じやすくなることがあります。
怖がりな子どもへの対応は原因を探ることから
恐怖心はすぐに解消するものではありません。親は、子どもの気持ちに寄り添い、段階を踏みながら、焦らずにサポートすることが大切です。
まずはどうしてそんなに怖い気持ちになるのか、原因を探ってみましょう。
- いつから怖がるようになったのか
- 以前はどうだったのか
- 何か怖いことが実際にあったのか
- 特にどんな状況で怖がるのか
- なんとなく全部が怖いのか、ある部分だけが怖いのか
- どんなふうに怖いのか
- 怖い気持ちはどれぐらいで落ち着くのか
- どうすれば怖い気持ちが少し減るか
など、子どもの様子を観察するだけでなく、子どもに直接尋ねてみましょう。
子どもの恐怖心を知ろうとする姿勢が大切です。
子どもが怖がる時の対処法、接し方
子どもの怖い気持ちは否定せずに受け入れる
子どもが恐怖や不安を感じたときには、その感情を否定せず、理解しようとすることが大切です。
「怖くないよ」「ほらもっと頑張って」と頑張らせるのは逆効果です。
子どもが怖がっていることを否定したり、無理に笑わせたりしないようにしましょう。
子どもの気持ちを受け止め、「怖いよね」と共感し、恐怖心を受け止めてあげましょう。
親に怖い気持ちを認めてもらい、受け入れてもらうことで、気持ちが楽になることもあります。
安心感が子どもの恐怖心をやわらげる
子どもの恐怖心に対応するには、大人のサポートが必要です。 2歳、3歳、4歳、5歳と子どもの年齢により対応が変わるものではなく、子どもの心理状態に合わせて安心感を与えることが大切です。
子どもを安心させるコツやポイントを紹介します。
- 「そばにいるよ」など言葉で安心感を与える
- 手をにぎったり抱きしめたりして愛情を示し、行動で安心感を与える
- 子どもの不安を増長させないように大人が穏やかな態度を保つ
- 「なんでも話してね」「怖くなったら教えてね」といつでも話を聞く姿勢を伝える
- 「怖くなったらどうしようか?」とどうやって対処するか一緒に考える
恐怖心を克服するには慣れが大切
怖がりを治すには長い時間が必要です。 一度怖いと感じたものに対して、その気持ちは簡単には消えません。
すぐに怖がりが治ることは難しいかもしれませんが、慣れは恐怖克服への近道です。 子どもが怖がるものに対していきなり直面させるのではなく、無理のない範囲で段階をふみ、少しずつ慣れさせていきましょう。
最初は遠くから見たり、やらなくてもいいから触ってみたりするだけでも効果があります。 何度も経験したり、繰り返し場数を踏んだりことで慣れが生じます。
「前も行ったことある」「前に会ったことがある」「1回だけやったことある」「ママがやってるのを見た」といった感覚は、少しずつ子どもの不安を軽減し、恐怖を乗り越える手助けになります。
絵本が恐怖に向き合う力を助ける
子どもの恐怖心をやわらげるために、不安や恐怖がテーマの絵本を活用する方法もあります。
臆病で怖がりの主人公が、恐怖に立ち向かっていく物語が良いでしょう。
恐怖に負けたり怯えたりしながらも、勇気を出して頑張る主人公の姿に、子どもは自分自身を重ねることができます。
主人公から勇気をもらったり、恐怖を克服するためのヒントになったりもします。 子どもが恐怖という感情を理解する手助けにもなりますので、安心できる家の中で物語を読んであげるのも良いでしょう。
発達障害の子どもの怖がりへの対応
発達障害やASD(自閉スペクトラム障害)など、情報処理や認知の仕方に特性があり、過剰に怖がりな場合があります。
基本的な対応は定型発達の子どもと大きく変わりません。 子どもの感情に寄り添い、受け入れ、安心感を与えることが大切です。
さらに、子どもの特性や個々のニーズに合わせた対応も有効です。
具体的には次のようなものがあります。
- 変化の少ない生活習慣を心がける。
- 予定やスケジュールの変更を最小限に抑える
- 視覚的なツールを活用する
- 静かな場所や刺激の少ない個別スペースを用意する
- 困ったときに避難できる安全な場所を用意する
- 安心感が得られる物を持たせる
- 事前に情報を伝えて見通しを立てる
- 強制せずに選択肢を与える
子どものペースに合わせて進めることや、環境を整えることが安心感につながります。
恐怖心が強すぎる場合はどうすればいい?
子どもが過度に怖がる、過度に不安がる場合は、大人のサポートや心理的なケアが必要かもしれません。
その恐怖が日常生活に大きな影響を与える場合には、専門家の支援やアドバイスを受けることも検討するとよいでしょう。
大人の力を借りながら子どもが健康的に恐怖に向き合い、自分なりに対処する力を身に付けることが大切です。
また、専門家につながっているという安心感が、親にとっても子どもにとってもプラスに働くことがあります。
親がひとりで抱え込まず、専門家と相談しながら、子どもが安心して過ごせる環境を整えましょう。
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