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感覚過敏や感受性が強い子へのプールやスイミングのアプローチ方法
記事の目次
サマリー
刺激に敏感であったり、感受性が強く怖がりの子ども達と、どのようにプールに入り、スイミングを楽しんでいくか、どのような効果があるのかについて紹介していきます。スイミングは自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症の子供の「心身機能の発達」「健康状態の改善」「活動・参加の促進」という観点で意義があります。
全国には発達障害の子供も受け入れているスイミングスクールがあり、記事の最後で、一部のスイミングスクールを紹介しています。
記事の執筆者
スイミングの効果について
この記事では、感覚過敏であったり、感受性が強い子供への水泳・スイミングへのアプローチの仕方や、感覚統合との関係について紹介していきます。
水遊びは夏限定と思いきや、スイミングは年間を通して楽しめるスポーツです。
そして、スイミングは感覚統合の観点から心身の成長発達にとても効果が期待できます。
では、スイミングではどのような感覚を得る事ができるのでしょうか。
水中にはたくさんの刺激があります。
水温、水圧、浮力や水の抵抗。
どれも感覚刺激としては魅力的なものばかりです。
また、サッカーや野球などのチームプレーが重要なスポーツとは違って、
スイミングは他者と比較される事が少なく、練習を重ねると少しずつ上達していきます。
子どもにとってもできた!の感覚を得られるので自己肯定感の向上に繋がります。
我が家ではよくプールへ行きます。今となっては毎週のように通っているプールですが、
プールデビューは少し遅めの小学校に入学してからでした。
「体幹が不安定だし、落ち着きがないから溺れたらどうしよう、、」
親が不安という理由で、プールへ行くことを避けていたからです。
しかし、恐る恐るプールへ連れて行ったところ大喜び。
すっかり夢中になりました。
でも、最初はちょっと怖かったよって教えてくれた息子。
では以下でどのようにアプローチをしていったのか、ご紹介致します!
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子どもへの声かけ・言葉がけ
少しずつ段階を踏んで水に慣れることから始めてみましょう。
まずは水を触ってみましょう(触覚)
「冷たい?」
「水ってつかめる?どんな感触?」
「水はキラキラしていて、綺麗だね」
水が跳ねる様子や水面がキラキラしている様子を眺めていると、
なんだかワクワクする気持ちになりますね。
次に、水の中の世界を感じてみましょう。
手→足→腰→肩の順番で少しずつ身体で水を感じます。
おうちのビニールプールとは違い、水量も水深もあります。
水中で手や足を動かす、水をつかむ感覚や水を蹴る感覚を感じてみましょう。
「水の中だと身体はどんな感じがする?」
「なんだかフワフワするね」
水圧、水温は皮膚への感覚刺激を養います。
浮力の働く水中では身体の位置や動きを感じながらバランスを保とうとします。
そのため全身の筋肉を使います。
身体の力加減を感じたり、ボディーイメージをつかむ感覚刺激への
アプローチとしてとても有効です。
最後に水中での自分の身体の感覚をつかみます。
不安定な水中でどのように自分の身体の位置を感じ、イメージ通りに進めるか。
そのためには、身体の力加減を調整し、手足を動かしてバランスをとります。
様々な協調運動が重なり合います。
ただでさえ、水中といういつもと違った環境で不安になると思います。
好きなキャラクターになって水の世界を楽しむのも面白いかもしれません。
「人魚姫だ!魚も応援してるみたいだよ」
「ドラゴンになって空を飛んでるみたいだね!」
フワフワと浮く感覚は、どこか非現実的でファンタジーの世界に潜り込んだみたいです。
音や人の動きに敏感な子、勝ち負けにこだわりが強い子は、特に周りの様子が気になるようでしたら、
想像と空想の世界をゲーム感覚で創り出すと、自分の世界に没頭できて楽しくなります。
「今日はプールの真ん中までビート版で泳げたね。毎回少しずつ上達してるよ。」
「楽しかったね。また来ようね。」
顔がつけられた。バタ脚で泳げた。
その一瞬一瞬の“できた”に立ち会えるのは親としても嬉しいです。
夢中になって泳いでいるといつの間にか出来るようになっていることも増えていて、
毎回着実に上達しています。そして、今日もできた!が、次に繋がります。
楽しい。また挑戦したい!
この気持ちが大切です。
論文の紹介
水泳・スイミングについて、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症の子供むけの研究がなされているので、論文を一つピックアップして内容をご紹介していきます。
参考文献
Japanese Journal of Science in Swimming and Water Exercise Vol.26, No1, 2023
この論文の中ではASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)の子供達が「水泳・水中運動」をすることについて、以下の3つの意義があると述べています。
- 心身機能の発達
- 健康状態の改善
- 活動・参加の促進
心身機能の発達
身体機能に関して、主として水の物理的特性(密度が高かったり、浮力があったり、抵抗があること等)が体力の発達を刺激し、それを元にして運動能力や技能の向上が促される。
認知機能に関しては水泳・水中運動の身体活動強度が、不注意・衝動性に関わる注意機能や抑制機能の改善に寄与する。
社会情緒的機能については、指導に伴う個別学習や集団活動などの学習形態が社会的なコミュニケーションスキルの発達に寄与する。
健康状態の改善
安全技能の獲得などにより、溺死や疾患の死亡リスクを低下させる。また、水の物理的特性が感覚的欲求の充足、筋肉の弛緩、自律神経活動や覚醒水準の調整を通じて、ストレスや不適応行動の減少、気分や睡眠の質向上に寄与する。
活動・参加の促進
短期的には、人的・物理的な環境が定期的な水泳・水中運動への参加の動機付けになる。
長期的には、定期的な参加が生涯スポーツの実践や交流活動、挑戦機会につながって生活の質向上になる。
適切な指導の下で、子供にスイミングをする機会を与えることは、子供の成長に大きく寄与するようです。
では、発達障害やその他障害を持つ方が通うことが出来るスイミングスクールは、一体どれ程あるのでしょうか。
2024年3月1日時点でインターネット上で調べてみました。
発達障害・障害児受け入れスイミングスクール一覧
適切な指導の下で、子供にスイミングをする機会を与えることは、子供の成長に大きく寄与するようです。
では、発達障害やその他障害を持つ方が通うことが出来るスイミングスクールは、一体どれ程あるのでしょうか。
2024年3月1日時点でインターネット上で調べてみました。
- adapted sports class (東京・神奈川)
- アクアマルシェ(東京)
- スイムラン(東京、千葉、神奈川、埼玉)
- まごころスイミング(千葉)
- エンゼルフィッシュ(神奈川)
- ナガイスイミングスクール(群馬)
- MOTTOスイミングスクール(宮城)
- NPO法人ミラクルスイミー(秋田)
- ライブスポーツ将監(宮城)
- ぴぃ~すスイミングクラブ(愛知)
- なかい水泳予備校(大阪、神戸、名古屋)
- 岐阜西スポーツクラブ(岐阜)
- スポーツクラブ ビッグ・エス大日(大阪)
- 認定NPO法人 プール・ボランティア(大阪)
- 京都スポーツクラブイリアス(京都)
- かやの中央スイミングスクール(大阪)
- Aqua(大阪、兵庫)
- あすかスイミングスクール(奈良)
- 蔵王スイミングスクール(広島)
- ウェルポートなださき(岡山)
- 石原スポーツクラブ(愛媛)
- ACプラス(福岡)
(注)ここでリストアップしている施設・団体はインターネット上で「発達障害」「障害児」などについて言及しているページをピックアップしたものであり、ここではその品質を保証している訳では有りません。
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