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2、3歳の子どもの「見て見てアピール」の背景と接し方
記事の目次
記事の執筆者
声かけのシーン(背景・導入)
言葉を話し始める少し前から、子どもは、「ん、ん」と何かを指さして自分の見ているものや関心のあるものを周りの人に伝えようとしますね。
また、もっと大きくなると、「パパママ、見て!」とか「見ててね」というように親に自分のしていることや自分の見つけたものを見ていてもらいたがるようになります。
何か面白いものを見つけた、何かが上手にできた、ということを逐一見てもらいたがるので、時にはちょっと面倒くさいなと感じ、反応がおざなりになってしまうこともあるのではないでしょうか。
■見て見てアピールの背景
これらの子どもの行動は、自分の見ている、感じていることを他者に伝えて、同じものを一緒に見たり感じたりしたいという欲求から来るもので、共同注視と呼ばれます。これは、子どもの発達を支える非常に重要な力です。
1 コミュニケーションスキルが身につく
指さしや言葉によって自分の感じていることを他者に伝え、人が伝えようとしていることを理解しようとするコミュニケーションの基礎になる力が身に付きます。
2 社会性が身につく
他の人と感情や経験を共有することの喜びを通じて、人と人とのかかわり方を学び、共感性や社会性が高まります。
3 物事を学習する機会となる
指さしたものを「あれは犬だよ」と教えてもらったり、できなくて困っていることを伝えて「こうするんだよ」とやり方を教えてもらうことで、言葉や知識、技術を学習することができます。
4 感情の共有
同じ状況や物事を見たときに他者がどんなふうに感じるのかを知ることができます。他者の感情を読み取り、共感する力、また人による感じ方の違いも学習します。
5 自己調整能力が身につく
自分の感じ方と他者の感じ方を調整したり、相手の見ているものに注意を向けたりすることで、感情、注意力のコントロールや物事への対処能力が向上します。
いつも自然にしていることだとは思いますが、“同じものを一緒に見て応答する”ということが子どもの発達にとっていかに大切なのかを理解して声かけしてあげましょう。
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こんな「声かけ」がおすすめ!
「わ!面白いね!よく見つけたね!」
「これは〇〇っていうんだよ」
「きれいな色だね!」
などと、大人もしっかりと同じものを見て、言葉をかけてあげてください。また、お互いの顔を見合い、表情をしっかりと見せてあげることも大切です。
そうすることで、子どもは上にあげた効果の他にも、「これは価値のあることなんだ」「自分は価値のある発見ができたんだ」と感じ、自己肯定感や好奇心、学習意欲も高まります。
また、見たものを言葉で描写してあげることも有効です。
「お魚さんがいるね。あれはカクレクマノミだよ。オレンジと白の縞々だね。ひれの先っぽは黒いね。海藻の間に隠れてるよ」
「見てて!!」と子ども自身の行動を見ていて欲しがる時も、よく見てあげ、子どもが努力していること、心が動いているところに注目して声をかけてあげましょう。
「お~!これができるようになったんだね!うれしいね」「あ~!おしい!
もうちょっとだったね」など。
子どもがこんなところに興味があるんだな、こんなことに気づくようになったんだな、こんなことができるようになったんだな、とさまざまな発見があることだと思います。
そして、大人も、「〇〇ちゃん、これ見て!」と同じものをみるよう子どもに促してみるのもよいでしょう。お互いに見つけたものを伝えあったり感情を共有したりする体験をぜひ大切にしてみてください。
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