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子どもの回復力を高める方法:レジリエンスを育む親の接し方
記事の目次
サマリー
人生において、回復力はとても大切です。困難にぶち当たったとき「もう無理…」と絶望してしまうのではなく「じゃあこうしたらいいんじゃない」としなやかに乗り越えていくことができたらよいですよね。
このように問題にうまく適応したり困難から回復したりする力のことをレジリエンスと言います。
この記事では、レジリエンスが高い子どもの特徴、低い子どもの特徴について説明しつつ、子どもが失敗したり困難を抱えている時にどのように関わっていけばいいのか、紹介していきます。
また、子どもが失敗した際には、怒ったり責めたりするのではなく、レジリエンスを高め、リカバリーの仕方を教えるチャンス!と捉えることを勧めています。
記事の執筆者
レジリエンスが高い・低い子どもの特徴やよくある失敗例
レジリエンスが高い子ども
レジリエンスが高い子どもは、以下のような特徴があります。
① 自己肯定感が高く困難なことにもチャレンジできる。
② 柔軟な思考を持ってストレスに対処できる。
③ 気持ちのコントロールがうまく立ち直るのが早い。
レジリエンスが低い子ども
逆にレジリエンスが低い子どもは、このような特徴を持ちます。
① 自己肯定感が低く、失敗を恐れてあきらめてしまう。
② 物事のネガティブな面に注目しストレスに負けてしまう。
③ 気持ちが不安定で落ち込みやすい。
子どもは経験も能力も発達途上なので、たくさんの失敗をします。そんな時、思わずこんな風に声をかけてしまうことがありませんか?
「なんでちゃんと持っていないの!」
「ギャー!!こぼすからやめて!!」
「汚れるからダメ~!!」
余裕がないと、子どもが失敗をすることを許せなかったり必要以上に怒ったり責めたりしてしまいがちですね。
このように言われると子どもは、「失敗することは悪いことなんだ」「怒られるからやめておこう」と考え、挑戦することを恐れるようになります。
レジリエンスを鍛えるための声かけや親自身の考え方について

失敗をしないことよりも、回復の仕方を知っていることの方が大事なことです。
ですから、失敗したときの対処方法を子どもに伝えていきましょう。
レジリエンスを鍛えるための声かけ例
原則は以下のような言い方です。
「こういうときはね、こうすればいいんだよ!」
例えば、
お茶をこぼした→「拭けばいい」
鉛筆削りのかすを床にこぼした→「掃けばいい」
お漏らしをした→「きれいにすればいい」
人に迷惑をかけた→「あやまって償えばいい」
などです。
失敗して終わりではなく、やり直すチャンスがあることを教えてあげましょう。
「お茶こぼれちゃったね。こぼれたら雑巾で拭けばいいよ。」
「雑巾はここにあるからね。こうやって拭きます。」
「拭いたら洗うよ。ごしごし。よく絞って…ここに干してね。」
「きれいになって気持ちいいね」
このように原状復帰を一緒に手伝ってあげます。
「今回は横を向いて飲んでいたからこぼれちゃったね。」
「今度からはどうしたらいいかな?」
「こうやって持つとこぼれにくいよ」
次につなげ改善していく声かけもしてあげてください。
レジリエンスを鍛えるための親の考え方について
家庭では、“回復する”という機能がとても大切ですよね。ですから心や体や環境を回復させる場面がたくさんあります。
疲れた心や体を癒す、汚れたものをきれいにする、壊れたものを修復する、そういった日々の一つ一つの営みが、子どものレジリエンスを育む機会となります。
私自身、子育てや主婦業のマイナスをゼロにするような仕事がむなしいと感じたこともありました。
汚れたお皿や服を洗ったり、部屋やトイレ、お風呂を掃除する、など、面倒くさくて手間がかかるし、できればやりたくないなと思っていました。
でも、本当は、回復する、原状復帰するって大事なことですよね。
「牛がいなければ飼い葉おけはきれいだ」という言葉があります。
家畜を飼っているとエサをやったり小屋を掃除したりお世話をするのが重労働だけれど、牛がいることによって大きな力で多くの収穫が得られるという意味です。
子育てや家事はたくさんのエネルギーが必要で大変なことが多いですが、それによって得られる多くの喜びや成長があります。
子どもが失敗したときは怒ったり責めたりするのではなく、レジリエンスを高めリカバリーの仕方を教えるチャンス!ととらえて声をかけてみてはいかがでしょうか?
記事の執筆者
・大学、大学院にて臨床心理学を専攻
・スクールカウンセラー、児童精神科のカウンセラー、
・発達障害児の治療教育的学習支援者として勤務
・家庭教師経験8年
【資格】
・臨床心理士
・公認心理師
・教員免許(中・高)
5児を育てながら、発達障害のあるお子さまや不登校のお子さまの学習支援、発達支援も行っています。
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